工場のコンプレッサー修理・オーバーホール・更新
コンプレッサーは一般的に工場全体の消費電力の20〜30%程度を占める、特に電力消費の大きいユーティリティ設備の一つです。それでいて、コンプレッサーは「動いていれば良い」と思われ、長年放置されているケースが少なくありません。
※一般財団法人省エネルギーセンター(ECCJ)が発表データ
コンプレッサーの消費電力は、機種の新旧、運転圧力、エア漏れの有無、メンテナンス状態によっても大きく変わります。
例えば、古い機種を最新のインバータ制御スクリューコンプレッサーに更新したり、圧力の見直しやエア漏れ対策を行うことで、電気代を大きく削減できたという事例が数多くあります。
また、コンプレッサーが急停止すれば、工場の生産に大きな影響が出るケースが少なくありません。そのため、予防保全としてのオーバーホールは、突発停止による生産影響を未然に防ぐための重要な投資といえます。
このページでは、工場のコンプレッサー修理・更新・オーバーホールの費用感や、コンプレッサーに関するお役立ちコンテンツを掲載しています。
目 次
突発の故障から計画的な更新・省エネまで、内容を問わずご相談いただけます。当てはまるものがあれば、まずは無料診断からご案内します。
01突発故障・修理
- コンプレッサーが急に止まった、すぐ来てほしい
- 異音・振動の原因調査と修理をしてほしい
- 吐出量が落ちている、性能診断をしたい
02計画的メンテナンス
- 設置から長年経つのでオーバーホールを検討している
- 定期点検契約を結びたい
- 予防保全プログラムを構築したい
03更新(リプレース)
- 古いレシプロからスクリューへの更新を検討している
- インバータ機への更新で省エネしたい
- 複数台の小型機を統合・最適化したい
- オイルフリーへの転換を検討している
04省エネ・電気代削減
- 電気代を下げたい、省エネ提案がほしい
- エア漏れ調査と改修をしたい
- 圧力設定の見直しをしたい
05オイルフリー転換
- 食品・医薬品対応でオイルフリーに変えたい
- 電子部品工場のクリーンエア化をしたい
- 塗装ブースのクリーンエア対応をしたい
06補助金活用
- 省エネ補助金を活用した更新を検討したい
- 申請書類の作成について相談したい
07増設・改修
- 生産増強でコンプレッサー容量を増やしたい
- 新ラインへのエア供給を整備したい
- 配管含めた総合改修をしたい
08防音・近隣対策
- コンプレッサーの騒音が問題、対策が必要
- 室外設置から室内・防音ボックスへ変更したい
09法令対応
- 圧力容器の定期検査をお願いしたい
- 労働安全衛生法対応について相談したい
10関連工事との連動
- コンプレッサー室の防音工事と同時に整備したい
- 換気改善と組み合わせて省エネしたい
- エア配管の更新と一体で進めたい
コンプレッサーの対応修理や工事
弊社では、コンプレッサーに関するあらゆる修理や工事に対応しております。補助金は申請期間や対象要件が年度ごとに異なるため、問い合わせください。
急な故障や不具合に、必要な部品交換で迅速に対応
分解洗浄と消耗部品の交換で、新品同様の性能に戻す
選定から撤去・据付まで、更新工事を一括でお任せ
計画的な点検で突発故障を防ぎ、安定稼働を維持
配管の新設・改修やエア漏れ対策で圧力ロスを解消
レイアウト変更や工場移転に伴う撤去・再据付に対応
ドライヤやタンク、フィルター等の付帯設備も対応
使用状況を計測し、電気代を抑える運用改善をご提案
修理期間中のレンタル機手配で生産停止を最小限に
費用の目安
コンプレッサー修理・工事の費用は、機種、規模、工事内容、付帯工事の有無によって大きく変動します。以下はあくまで一般的な目安としての金額であり、実際の費用は現地調査のうえでお見積りいたします。
修理・部品交換(スポット)
| 修理・工事内容 | 費用 |
|---|---|
| エアフィルター・オイル交換 | 数万円〜 |
| ベルト交換 | 数万円〜 |
| 電磁弁・センサー交換 | 数万円〜十数万円 |
| 制御基板交換 | 十数万円〜数十万円 |
| 出張・診断費 | 別途 |
オーバーホール
| 修理・工事内容 | 費用 |
|---|---|
| 小型スクリュー(~22kW程度) メジャーOH | 数十万円〜百万円程度 |
| 中型スクリュー(37~75kW程度) メジャーOH | 百万円〜数百万円程度 |
| 大型スクリュー(100kW超) メジャーOH | 数百万円〜 |
| レシプロのOH | 数十万円〜 |
※小型機種ではオーバーホールよりも更新の方が経済的な場合があり、機種・状態によってご提案する内容が変わります。
更新(リプレース)
| 修理・工事内容 | 費用 |
|---|---|
| 小型スクリュー(~22kW程度) インバータ機 | 数百万円〜 |
| 中型スクリュー(37~75kW程度) インバータ機 | 数百万円〜千万円程度 |
| 大型スクリュー(100kW超) | 千万円〜数千万円程度 |
| ターボ式(大容量) | 個別見積り |
別途発生する可能性のある費用
既設撤去・廃材処分、基礎工事、配管工事、電気工事、仮設コンプレッサのレンタル、エアドライヤー・フィルター・タンクの同時更新、防音・換気工事、制御・監視システム、試運転・調整など。
補助金活用について
業務・産業用機器の更新を対象とするものなど、省エネ関連の補助金を活用できれば、自己負担を抑えられる場合があります。
補助金は申請期間や対象要件が年度ごとに変わるため、計画の早い段階での確認が重要です。現地調査と省エネ試算のうえ、明朗なお見積りをご提示いたします。
コンプレッサー修理・工事の流れ
各項目の詳細は以下の通りです。
1. 現地調査・診断
- 既存コンプレッサーの仕様、設置年、運転時間
- 使用空気量、圧力、運転パターン
- 現状の電気代、トラブル履歴
- 業務影響、停止可能時間
- 設置スペース、搬入経路
2. 提案・お見積り
- 修理・部品交換の場合:不具合診断、必要部品の特定、修理範囲と費用のご提示
- オーバーホールの場合:オーバーホール範囲の決定、必要部品・工期の確認、必要に応じた仮設対応
- 更新の場合:最適機種の選定(容量、形式、インバータの有無等)、省エネ効果の試算、設置工事計画、補助金活用可能性の確認
3. 各種準備
- 部品手配、仮設コンプレッサ手配(必要時)、工事計画書の作成、各種申請対応
4. 施工計画
- 業務影響を最小化する工程の検討、既設の停止計画、搬入・搬出経路の確認、安全対策
5. 工事実施
- 修理・オーバーホール:分解、点検、部品交換、組立、調整、試運転、性能確認
- 更新工事:既設撤去、基礎工事、新規据付、配管接続、電気工事、試運転、性能確認
6. 性能測定・調整
- 吐出量、吐出圧力、消費電力、振動・騒音の測定と、圧力設定の最適化
7. 引き渡し
- 取扱説明、運転マニュアルのご提供、定期点検計画のご提案、メンテナンス契約のご相談
よくあるご質問
Q. コンプレッサが急に止まりました、すぐ対応できますか?
はい。東海3県エリア内では、できる限り迅速に駆けつけます。応急対応、仮設コンプレッサーの手配、本格修理の計画まで対応します。
Q. オーバーホールはどれくらいの頻度で必要ですか?
スクリュー式の場合、簡易点検は3,000〜8,000時間ごと、メジャーオーバーホールは機種にもよりますが40,000〜50,000時間(または5〜10年程度)が目安とされることが多いです。運転時間や使用環境によって前後しますので、お使いの機種の取扱説明書もご確認ください。
Q. 古いレシプロをスクリューに変えるメリットは?
24時間稼働への対応、低騒音化、安定したエア供給、インバータ化による省エネ効果が期待できるといわれています。電気代と保全費の長期的な試算を踏まえてご提案します。
Q. インバータ機にすると、どれくらい電気代が下がりますか?
部分負荷運転が多い工場では、相応の電気代削減効果が見込まれる場合があるといわれていますが、具体的な削減率は運転パターンによって大きく異なります。事前の試算でできるだけ具体的な数値をお示しします。
Q. オーバーホールと更新、どちらが得ですか?
設置年数、修理費の累積状況、最新機との性能差、補助金活用の可否などを踏まえて判断します。設置から長期間経過し、修理費が高額化している、またインバータ非搭載の機械は、更新が有利になるケースが多いです。
Q. オイルフリーに変えたいです。
はい。食品・医薬品・電子部品・塗装などクリーンエアが求められる用途に、オイルフリースクリュー、スクロール、ターボへの転換をご提案します。
Q. 省エネ補助金は使えますか?
業務・産業用機器の更新補助やカーボンニュートラル関連の補助金で、コンプレッサ更新が対象となるケースがあります。多くは事前申請が必要なため、計画段階での早めの確認をおすすめします。
Q. エア漏れ調査もしてもらえますか?
はい。超音波漏れ検知器による調査、漏れ箇所の修理、配管の更新までトータルで対応します。
Q. コンプレッサーの騒音対策をしたいです
防音ボックス、防音室、室内設置への変更などをご提案します。
Q. 業務を止めずに更新できますか?
仮設コンプレッサーのレンタル、夜間・休日施工、段階施工などにより、業務影響を最小化する方法をご提案します。
Q. メーカーがバラバラの複数台を一括管理できますか?
はい。メーカー横断で対応します。台数制御システムによる運用の見直しもご提案可能です。
Q. 排熱を再利用したいです
排熱回収による給湯・暖房への活用などをご提案します。本格的な省エネ・カーボンニュートラル対応プロジェクトの一環として計画することも可能です。
基礎知識
ここから下は、この工事に関する基礎知識をまとめたコンテンツです。検討中の方が知っておきたい判断材料を解説します。
コンプレッサーの基本(種類と特徴)
工場で使われるコンプレッサーは、圧縮方式によっていくつかの種類に分けられます。それぞれ構造や得意な用途が異なるため、自社の使い方に合った機種選定が重要です。
容積型コンプレッサー:レシプロ式(往復動式)
ピストンの往復運動によって空気を圧縮するタイプで、古くから使われている方式です。高圧の用途にも対応しやすく、同程度の容量帯で比較すると、スクリュー式より導入コストを抑えられる傾向があるといわれています。
さらに構造が比較的単純で、機械の動作原理が分かりやすいため、現場での点検・整備をしやすいという特徴もあります。
一方で、ピストンの往復運動や吸入・吐出弁の開閉といった機械的な動きを伴うため、バルブやパッキンなどの消耗品の点検・交換頻度は、スクリュー式と比べて高くなる可能性があります。
・構造が比較的シンプルで、現場でのメンテナンスをしやすい
・高圧用途に対応しやすい
・中小型機種では導入コストを抑えやすい傾向
・振動・騒音が比較的大きい
・連続運転より断続運転向き
・消耗品の点検・交換頻度が比較的高い
主な用途:小〜中規模の工場、断続使用、高圧用途、エア工具
容積型コンプレッサー:スクリュー式(ロータリー)
雄雌2本のスクリューロータの回転によって空気を圧縮する方式です。
ロータの回転による連続圧縮のため、レシプロ式に比べて振動・騒音が小さく、24時間稼働のような連続運転に向いているといわれています。
吐出量も安定しやすく、特にモーターの回転数を自動で細かく調整できる機能が搭載されたインバータ制御機であれば、効率の良い運転が可能です。
中〜大容量の機種が充実している一方、同クラスのレシプロ式と比べると初期投資は高めになりやすい傾向があります。
・連続運転(24時間稼働)に向いている
・振動・騒音が比較的小さい
・安定した吐出量が得られやすい
・インバータ制御機は効率が高い
・中〜大容量に対応する機種が多い
・初期投資はレシプロ式より高めになりやすい
主な用途:中〜大規模工場、連続運転、安定供給が必要な用途
容積型コンプレッサー:スクロール式
固定スクロールと旋回スクロールの組み合わせで圧縮する方式です。低騒音・低振動で、オイルフリー化しやすいという特徴があり、小〜中容量の機種が中心です。
・低騒音・低振動
・オイルフリー化しやすい
・小〜中容量向け
・連続運転対応機種もある
主な用途:オイルフリーが求められる小〜中規模工場、医療・食品関連
ターボ型コンプレッサー(遠心式・ターボ式)
羽根車(インペラ)の遠心力によって空気を圧縮する方式です。大容量・高効率な機種が多く、オイルフリーで連続運転に向いているといわれますが、初期投資は大きくなる傾向があります。
・大容量に対応
・高効率な機種が多い
・連続運転向き
・オイルフリー
・初期投資が大きい
主な用途:大規模工場、製鉄、化学プラント、半導体工場
ターボ型コンプレッサー(給油式とオイルフリー)
スクリュー式やレシプロ式のコンプレッサーは、内部で部品同士が高速で擦れ合ったり、密着して動いたりします。この時、油には主に2つの役割があります。
潤滑:金属同士が直接擦れ合うと摩耗するので、油の膜を作って摩耗を防ぐ
密閉(シール):部品の隙間を油の膜でふさぎ、圧縮した空気が漏れないようにする
ただし油を使うと、圧縮された空気の中にどうしてもごく微量の油の粒(オイルミスト)が混じってしまいます。
オイルフリー化とは
「オイルフリー化」とは、コンプレッサーの圧縮機構から潤滑油(オイル)を完全に取り除いた設計にすることです。具体的なやり方は機種によって異なりますが、たとえば次のような工夫があります。
・部品同士が直接触れて摩耗しないよう、表面に特殊なコーティングを施す
・油を使わなくても摩耗しない素材(樹脂など)を部品に使う
・部品同士のすき間の精度を極めて高く作り、油の膜がなくても空気が漏れないようにする
オイルフリーが重視される代表的な用途としては、食品・医薬品工場、電子部品・半導体工場、水性塗料を使う塗装工場、計装エア、医療用などが挙げられます。業種によって主流となるコンプレッサーの傾向は異なります。
自動車関連・機械加工の工場ではスクリュー式(給油式またはオイルフリー)、食品・医薬品・電子部品ではオイルフリースクリューまたはスクロール、化学プラントではターボ式、塗装業ではオイルフリースクロールが選ばれやすいといわれます。
ただし、実際の選定は使用圧力・必要空気量・清浄度要求・運転パターンなど複数の条件を踏まえて判断する必要があるため、現地調査のうえでのご相談をおすすめします。
なぜコンプレッサーの定期メンテナンスが重要なのか
コンプレッサーは「動かして当たり前」と思われがちですが、放置すると性能低下や故障につながる可能性があります。
1.生産への影響
コンプレッサーが停止すると、エア工具、シリンダー、塗装、洗浄、搬送、計装など、工場の多くの工程に影響が及ぶ場合があります。停止時間が長くなるほど、生産への影響も大きくなりやすいので注意しなければなりません。
2.性能低下による電気代増加
経年劣化したコンプレッサーは、同じ吐出量を出すために多くの電力を消費する傾向があります。そのため、気づかないうちに電気代が静かに増えているケースもあります。
3.漏れ・トラブルの累積
配管漏れ、接続部の劣化、安全弁の動作不良など、小さなトラブルが積み重なることで、大きな故障につながる可能性があります。
4.オイル劣化による内部損傷
給油式の場合、オイルの劣化が進むと内部摺動部の摩耗が進みやすくなり、ロータ・ベアリングなどの重大な故障につながる恐れがあります。
5.安全リスク
圧縮空気は高いエネルギーを持っています。安全弁の不作動、配管の劣化、圧力容器の劣化は、重大な事故につながるリスクがあります。
6.法令対応
一定の規模・圧力の圧力容器(第二種圧力容器)は、労働安全衛生法施行令第1条第7号に定められており、ボイラー及び圧力容器安全規則第88条により、使用開始後1年以内ごとに1回の定期自主検査と、その記録の3年間保存が義務付けられています。
対象となるかどうかは容器の内容積や圧力によって決まるため、設置されているタンクが該当するか確認が必要です。
7.取引先・規格対応
ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)やISO 14001(環境マネジメントシステム)の認証取得・運用においては、コンプレッサーの省エネ管理が評価対象の一つとなることがあります。
これらの規格は「コンプレッサーを点検すること」を直接定めているわけではありませんが、自社のエネルギー消費の大きな部分を占める設備・工程を特定し、継続的に管理・改善する仕組みを求めています。
コンプレッサーは工場の消費電力の中で大きな割合を占める設備とされているため、結果としてその管理状況(点検記録、エア漏れ対策、更新計画など)が審査で確認されやすいといえます。
コンプレッサーの主な不具合・劣化症状
定期点検で確認しておきたい主な症状を整理しておきます。「いつもと違う音」「いつもと違う振動」こうした初期サインに早めに気づくことが、突発的な停止を防ぐための第一歩になります。
動作系の異常
- 吐出量の低下:定格より少ない空気しか出ない
- 吐出圧力の低下:設定圧力に達しない
- 異音・振動:金属音、軸音、振動の増加
- 始動不良:始動時間の長期化、始動失敗
- 電流値の異常:定格より高い電流(過負荷の兆候)
- 頻繁な発停:制御不良、漏れ、容量過多の可能性
補機・周辺の異常
- エアフィルターの詰まり:給気抵抗の増加
- クーラー性能の低下:吐出温度の上昇
- ドレン排出不良:水分の蓄積
- オイルの劣化:色の変化、粘度の低下
- ベルトの劣化:振動、異音
- 配管漏れ:エア漏れ音、消費電力の増加
安全装置の異常
- 安全弁の動作不良
- 温度センサーの不良
- 圧力スイッチの不良
圧力容器(エアタンク・レシーバ)の異常
- 内面の腐食、サビ
- ドレン部の劣化
- 安全弁の不良
- 圧力計の不良
オーバーホールの内容と周期
コンプレッサーの安定稼働には、計画的なオーバーホールが重要です。オーバーホールを実施することで、吐出量・性能の回復、消費電力の最適化、突発故障リスクの低減、安全性の向上といった効果が期待できます。
ただし、周期はメーカー・機種・使用条件によって幅があるため、ここで示す数値はあくまで一般的な目安として捉えてください。
最終的には、お使いの機種の取扱説明書やメーカーの推奨スケジュールに従うことをおすすめします。
スクリュー式(給油式)
メーカー資料を見ると、簡易点検は3,000〜8,000時間ごとを目安とするものが多いです。
メジャーオーバーホール(本格的な分解整備)は、機種によって「40,000時間または5年」「48,000時間または8年」など、おおむね40,000〜50,000時間、または5〜10年程度を目安とするケースが一般的です。年間運転時間が長い工場ほど、時間基準での到達が早くなる点に注意が必要です。
スクリュー式(オイルフリー)
オイルフリーは給油式と比べて部品交換の頻度が高くなる傾向があるといわれています。具体的な周期はメーカー・機種により異なるため、取扱説明書での確認が必要です。
レシプロ式
バルブ・パッキン類は使用状況に応じて定期的な点検・交換が必要です。本格的なオーバーホールの周期は機種・運転条件によって幅があり、一概には決められません。
ターボ式
メーカー推奨のスケジュールに従うことが基本です。大規模工場では年1回程度の定期点検を実施しているケースが見られます。
オーバーホールの主な作業内容
- エアエンド(圧縮部)の分解
- ロータの点検・摩耗測定
- ベアリングの交換
- メカニカルシールの交換
- バルブ類の点検・交換
- ガスケット・Oリングの交換
- インテークバルブ、ミニマムプレッシャーバルブの点検
- オイルフィルター・エアフィルター・セパレーターの交換
- ベルトの交換
- クーラーの清掃・点検
- 制御系の点検
- 試運転・性能確認
修理・部品交換(スポット対応)
オーバーホール以外にも、日常的に発生する修理・部品交換があります。
よくある修理項目
- エアフィルター交換:3〜6か月ごと
- オイル交換:給油式で2,000〜4,000時間ごと(機種により異なる)
- オイルフィルター交換:オイル交換と同時
- オイルセパレーター交換:数千〜数千時間ごと(機種により異なる)
- ベルト交換:張力点検のうえ、摩耗時に交換
- ベアリング交換:異音時、または定期周期
- 電磁弁・電装品交換:故障時
- 制御基板・センサー交換:故障時
- 安全弁交換:定期検査時
※周期は機種・使用条件によって異なります。詳細は取扱説明書をご確認ください。
緊急対応
突発的な故障が発生した際は、一般的に以下のような流れで対応します。
1.故障診断
2.仮復旧(バイパス、応急部品対応)
3.必要に応じたレンタルコンプレッサーの手配
4.本格修理の計画策定
更新(リプレース)|古い機械を新して得られる省エネ効果
設備の更新は、修理・オーバーホールでは対応しきれない経年劣化への根本対策となります。更新を検討すべきタイミングは以下のとおりです。
設置から長期間経過している
古いコンプレッサーは、最新機と比べて消費電力が多くなりやすいです。
機械自体の寿命はおおよそ10~15年程度が目安です。稼働時間・設置環境・メンテナンス状況による差も大きいため、10年経った頃に状態を確認することをオススメします。
オーバーホール後も性能が回復しない
オーバーホールは、コンプレッサー本体の主要部品を分解・交換し、性能を新品に近い状態へ戻す作業ですが、それでも性能が十分に回復しない場合、いくつかの原因が考えられます。
エアフィルターやオイルセパレーターなど別途劣化が進んでいる周辺部品がある、配管や接続部からのエア漏れが残っている、圧力スイッチや逆止弁といった制御部品に不具合があるなど、本体の整備だけでは解決しない要因が関係している場合があります。
これらを点検しても改善しない場合は、本体の劣化がオーバーホールで対応できる範囲を超えている可能性があり、更新を検討する目安の一つになります。
修理費が高額化している
一般的には、修理費(オーバーホール費)が新品購入価格の30~50%程度を超える場合は、買い替えを検討する一つの目安になります。
ただし、これは単純な比率だけで判断できるものではなく、現在の使用年数、故障の頻度、電気代、生産停止による影響なども含めて、中長期的な総コストで比較することが重要となります。
修理見積りと更新見積りの両方を確認し、数年〜10年程度のスパンで総コストを比較したうえで判断することをオススメします。
インバータ非搭載で電気代が高い
インバータ機への更新で、運転状況によっては大きな省エネ効果が見込める場合があります。現在の機種がインバータ非搭載で、かつ24時間稼働ではなく負荷の変動が大きい使い方をしている場合は、更新による省エネ効果が比較的出やすいです。
実際の削減効果は工場ごとの運転パターンによって異なるため、現状の電力消費を計測したうえで、更新後の見込みを試算する必要があります。
補助金活用のタイミング
省エネ関連の補助金が活用できる年度に合わせて計画することで、自己負担を抑えられる場合があります。
例えば、経済産業省・SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が運用する省エネ・非化石転換補助金などでは、コンプレッサーが対象設備の一つとして明記されている枠があります。
これらの補助金は、事前に登録された機種を選ぶ必要がある、申請から採択までに一定の期間を要する、年度ごとに公募期間や要件が変わるなど、購入後に申請しても対象にならない仕組みになっていることが多いため、計画の早い段階で対象設備や公募スケジュールを確認することが重要です。
工場の需要変化
増産、減産、製品変更などで必要空気量が変化した場合も、見直しの良いタイミングです。
古いコンプレッサーをそのまま使い続けていると、実際の使用量に対して容量が過大・過小になっている場合があり、過大であれば無駄な電力消費につながりやすく、過小であれば供給不足によるトラブルの原因になりやすいです。
更新のタイミングは、現在の必要空気量を改めて見直し、容量を最適化する機会としても活用できます。
インバータ機への更新メリット
インバータ制御の最大のメリットは、必要な空気量に合わせてモーターの回転数を自動制御できることです。
部分負荷運転が多い工場では、固定速機よりも消費電力を抑えられる可能性があるといわれています。また、圧力変動が小さくなりやすく、始動電流が小さいため電気契約への影響を抑えやすいといったメリットも挙げられます。
実際の削減効果は工場の運転パターン(負荷率、稼働時間など)によって大きく異なるため、事前の試算が重要です。
レシプロからスクリューへの転換
連続運転、24時間稼働の工場では、レシプロ式からスクリュー式(インバータ制御)への転換により、低騒音化や安定したエア供給が期待できるといわれています。防音工事と同時に施工することで、近隣対策にもつながるケースがあります。
モーターの効率規格について
コンプレッサーを動かすモーターには、電気を回転力に変える際の「効率の良さ」を表す国際的な等級があります。
国際電気標準会議(IEC)が定めるこの等級は、IE1(標準効率)~IE4(スーパープレミアム効率)まで4段階あり、数字が大きくなるほど、同じ仕事をする際に必要な電力が少なくなる(効率が良い)というイメージです。
古いコンプレッサーほど、この等級が低いモーター(IE1など)を搭載している傾向があります。このため、古いIE1モーターを搭載した機種を、現在のIE3クラスのモーターを搭載した機種に更新すると、モーター単体の効率向上に加えて、コンプレッサー本体の構造改良も合わさり省エネ効果が期待できます。
なお、モーターのみを単体でIE3等に交換する場合は、始動電流の増加や周辺機器との整合性など注意点もあります。コンプレッサー本体ごと更新するのであれば、メーカー側で適合設計がされているため、この点は基本的に問題になりません。
コンプレッサーの省エネ|単独機の更新を超えた総合改善
コンプレッサーの省エネは、機械単独の更新だけでなく、システム全体を見直すことで効果が大きくなる場合があります。
1. 吐出圧力の最適化
吐出圧力を下げることによる省エネ効果は、0.1MPa下げることで概ね数%~10%程度の電力消費量低減が期待できるといわれています。
多くの工場で、実際に必要な圧力よりも高めに設定されているケースがあるため、見直しの余地がある場合があります。
圧力を下げる際は、使用している空気圧機器が正常に動作する範囲かどうかを必ず確認する必要があります。
2. エア漏れの対策
工場のエア配管においては、おおむね10〜20%程度の割合でエア漏れが発生していることがあります。
漏れ箇所を特定して修理するだけでも、相応の省エネ効果が見込めるといわれています。超音波漏れ検知器などを使った調査が有効です。
3. 吸気温度の低減
吸気温度を下げることで効率改善が期待できるといわれており、コンプレッサー室の換気改善や、工場内の温度管理が有効な対策とされています。
吸込温度を20℃下げることで約3%の省エネ効果があるとされる一方、10℃の低減で9%程度の節電効果が得られるという場合もあり、条件や算出方法によって状況は異なります。
4. 台数制御・台数最適化
複数台運用の工場では、台数制御システムを導入することで、需要に応じた最適な運転がしやすくなる場合もあります。
例えば、固定速(インバータなし)のコンプレッサーは、空気の需要が少ない時間帯でも、運転・停止(または無負荷運転)を繰り返しながら需要に対応するため、無駄な電力消費が生じやすいといわれています。
台数制御によって、その時々の需要に応じた台数・組み合わせで運転できるようになるため、特に時間帯によって空気の使用量の変動が大きい工場では、効果が出やすいでしょう。
5. 排熱の活用
コンプレッサーの排熱を給湯や暖房などに利用する取り組みも行われています。本格的な省エネプロジェクトの一環として検討されることがあります。
6. 使用機器側の見直し
エアブローの圧力見直しや、必要箇所への減圧弁の設置など、需要側(使用側)の見直しも効果的とされています。
これらの対策を組み合わせることで、工場全体のコンプレッサー電力の削減につながる可能性がありますが、効果の大きさは工場ごとの状況によって異なります。現状を診断したうえで、優先順位をつけて取り組むことをオススメします。
周辺機器・付帯設備も重要
コンプレッサーの安定稼働には、本体だけでなく周辺機器の管理も重要です。
エアタンク(レシーバタンク)
圧力変動の平準化や、ピーク時の供給確保に役立ちます。
ゲージ圧力0.2MPa以上の気体を保有し、かつ内容積40L以上、または胴の内径200mm以上・長さ1,000mm以上のいずれかに該当する場合は第二種圧力容器となり、1年に1回の定期自主検査が義務付けられます。
一般的な工場用エアタンクの多くはこの条件に当てはまるため、内面の腐食やドレン排出の状態も点検が必要です。
エアドライヤー
圧縮空気中の水分を除去する装置です。冷凍式、吸着式、メンブレン式などの種類があり、定期的なフィルター交換などのメンテナンスが必要です。
エアフィルター
異物・水分・油分を除去します。プレフィルター、メインフィルター、ファインフィルターなど段階的に構成される場合があり、定期交換が必要です。
ドレン処理装置
自動ドレントラップや油水分離装置の管理も重要です。廃油は産業廃棄物として適正な処理が必要です。
配管(エア配管)
漏れ対策、適切な配管径・材質の選定が重要です。
防音・換気設備
コンプレッサー室の防音や、換気の確保も付帯設備として重要なテーマです。
制御・監視システム
圧力監視、運転データの収集、遠隔監視などのシステムを導入することで、運用の最適化や異常の早期発見につながる場合があります。
工場のコンプレッサーは、電気代・生産安定性・カーボンニュートラル対応など、いずれの観点からも投資対効果が期待できます。「動いていれば良い」と放置している間にも、電気代が静かに増えていたり、突発故障のリスクが高まっていたりする可能性があります。
計画的なオーバーホール、最新機への更新、システム全体の省エネ最適化は、現代の工場における重要なユーティリティ投資の一つといえるでしょう。
「コンプレッサーが急に止まった、緊急対応してほしい」「設置から長年経つので、オーバーホールを検討している」「古いレシプロをインバータ式スクリューに更新したい」など、どんな段階のご相談でも承っております。
愛知・三重・岐阜の工場で、コンプレッサーの修理・更新・オーバーホールでお困りごとがありましたら、ぜひお問い合わせください。現地調査と省エネ試算のお見積りは無料です。緊急対応、メーカー横断対応、省エネ提案、補助金活用、長期メンテナンスまで、専門知識と現場経験を持つスタッフが、御社の生産安定と電気代削減を支える最適なご提案をいたします。