工場のプロパンガス・都市ガス・特殊ガス配管工事
工場で使うガスは、燃料から溶接用シールドガス、熱処理炉の雰囲気ガス、食品包装用の炭酸ガスまで、業種・工程ごとに多種多様です。
しかしどのガスを扱う場合も、配管工事に求められる姿勢は共通しています。それは「安全性を最優先にすること」です。
ガス配管はひとたび施工不良が生じれば、漏えい・火災・爆発に直結しかねない設備であり、法令で施工できる工事人の資格や工事店の要件が明確に定められています。
この記事では、工場で扱うプロパン・都市ガス・特殊ガスの配管工事について、設備担当者・経営者の方が押さえておきたいポイントを整理してお伝えします。
目 次
新設・更新から漏えいの緊急対応、法令手続きまで、ガスに関することなら内容を問わずご相談いただけます。当てはまるものがあれば、まずは無料診断からご案内します。
01新設・増設
- 新しい設備にガスを引きたい
- 新ラインのガス配管を新設したい
- 工場新設にともなう配管全体工事をお願いしたい
02更新・改修
- 既存配管が古くなってきたので更新したい
- 設備移設にともなう配管の改造をしたい
- レイアウト変更に合わせて配管を替えたい
03ガス漏れ・緊急対応
- ガス臭がする、すぐ点検してほしい
- ガス警報器が作動した
- 漏えい箇所を特定してほしい
04点検・診断
- 既存配管の点検・診断だけ依頼したい
- 腐食・サビの進行を診てほしい
- フレキ管・可とう管の劣化を確認したい
05都市ガス・LPガス
- 都市ガスの内管工事をお願いしたい
- LPガス機器の接続工事をしたい
- 都市ガスとLPガスの両方に対応してほしい
06産業ガス・特殊ガス
- 窒素・アルゴンのバルク供給配管を敷設したい
- CE・PSA設備まわりの配管を整備したい
- 高純度ガス配管をステンレスで施工したい
07法令手続き・届出
- 高圧ガス保安法の届出を任せたい
- 消防法関連の届出に対応してほしい
- 有資格者による施工が必要
08圧力・流量のトラブル
- 圧力が安定しない
- 流量が落ちた
- 調整器(レギュレータ)を交換したい
09地震・設備移設後の点検
- 地震のあとに配管を点検してほしい
- 設備移設後の微小な漏えいが心配
10関連工事との連動
- コンプレッサー・空調工事と同時に進めたい
- 工場の配管全体を総合的に整備したい
ガス配管工事の対応内容
弊社では、都市ガス・LPガス・産業ガスの配管に関するあらゆる工事に対応しております。
設備増設やレイアウト変更にあわせた配管を敷設
腐食・劣化した既設配管の更新や、取り回しの変更
漏れ箇所の特定と補修に、緊急で対応
気密試験や配管診断で、漏れと劣化を早期に把握
供給方式に応じた配管と、ガス機器の接続に対応
窒素・アルゴン・水素など、用途に応じた仕様で施工
調整器やガスメーターの見直しで、圧力不足を解消
警報器や緊急遮断弁の設置・更新に対応
消防・行政への届出や検査対応を代行
費用の目安
ガス配管工事の費用は、ガス種、配管延長、配管径、配管材料、施工場所の条件、法令手続きの有無、付帯工事の有無によって大きく変動します。
参考としての目安は次のとおりです。ただし、ガスの種類や工場の規模によって条件が大きく異なります。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| LPガス機器接続・小規模配管 | 数万円〜十数万円 |
| 都市ガス内管工事(小規模) | 十数万円〜数十万円 |
| 工場新設にともなうガス配管全体工事 | 数十万円〜数百万円 |
| 産業ガス(窒素・アルゴン等)バルク供給配管 | 数十万円〜数百万円 |
| CE・PSA設備関連配管・特殊ガス配管 | 個別見積り(数百万円〜) |
法令手続き、気密試験、各種検査、足場・養生、夜間休日割増、復旧工事などが必要な場合は別途費用がかかります。現地調査と詳細ヒアリングのうえ、明朗なお見積りをご提示します。
ガス配管工事の流れ
新規敷設・更新・改修いずれの場合も、おおよそ次のような流れで進みます。
各項目の詳細は以下の通りです。
1. 現地調査・ヒアリング
- 使用ガスの種類、必要流量・圧力、使用機器、設置場所、既存設備の状況、関連法令の確認を行います
2. 設計・機器選定
- 配管ルート設計、配管径・材料選定、安全装置(緊急遮断弁、ガス漏れ警報器、逆火防止器など)の選定を行います
3. 法令手続き・申請
- 高圧ガス保安法の届出、消防法関連の届出、ガス事業者との協議などを進めます
4. 施工計画
- 生産ラインへの影響を最小化する工程設計(夜間・休日施工、仮設対応など)を立案します
5. 配管施工
- ねじ接合、溶接接合(TIG溶接・オービタル溶接)、フランジ接合など、ガス種と用途に応じた接合方法で施工します
6. 検査・試験
- 耐圧試験、気密試験、ヘリウムリークテスト、純度測定(高純度ガス系)を実施します
7. 試運転・引き渡し
- 流量調整、安全装置の動作確認、運転データの記録、操作・取扱説明を行います
よくあるご質問
Q. 都市ガスとLPガス、両方の工事に対応できますか?
はい、両方に対応します。法令で求められる資格者が施工・監督を行いますのでご安心ください。
Q. ガス漏えいの緊急対応はしてもらえますか?
はい、緊急対応に努めます。まずは火気使用を止め、換気のうえご連絡ください。状況により、ガス事業者・消防への通報が優先となる場合があります。
Q. 高圧ガス保安法の届出・申請も任せられますか?
対応可能です。設計段階から関わることで、必要な届出を漏れなく進められます。
Q. 設備移設にともなう配管の改造工事も頼めますか?
はい。生産ラインを止めない施工計画を含めて、ご提案からお引き渡しまで一貫対応します。
Q. 既存配管の点検・診断だけでも依頼できますか?
もちろんです。経年配管の腐食診断、気密試験、配管更新時期の判断などについてもお気軽にご相談ください。
基礎知識
ここから下は、この工事に関する基礎知識をまとめたコンテンツです。検討中の方が知っておきたい判断材料を解説します。
工場のガス配管は「安全性」がすべての出発点
ガス配管工事は、ひとたび施工不良があれば漏えい・火災・爆発に直結する、工場設備のなかでも特に高い安全性が求められる領域です。
工場で扱う主なガス
- 都市ガス
- プロパンガス(LPガス)
- 窒素・アルゴン・酸素・水素・炭酸ガスなどの工業用ガス
これらは、それぞれ次の点が異なります。
- 適用される法令
- 必要な資格
- 使用できる配管材料
- 施工基準
どのガスを扱うかによって工事の性質がまったく変わる、ということを最初に押さえておくことが重要です。
工場で扱うガスの種類と用途
ひとくちに「ガス配管」と言っても、扱うガスの種類によって工事の性質はまったく異なります。まずは工場で使われる代表的なガスを整理しておきましょう。
燃料ガス系
都市ガス(13A)
都市ガスは燃料用途で広く使われます。地中の本支管から引き込み、お客様の敷地内に内管として配管します。
- 熱処理炉
- ボイラー
- 乾燥炉
- 給湯設備
- 食品工場の加熱機器
天然ガスを主原料とし、空気より軽いため、漏えい時には天井側に滞留しやすいという特性があります。
プロパンガス(LPガス)
プロパンガスは、都市ガスが供給されていないエリアの工場や、高カロリーが必要な熱処理用途などで使用されます。
空気より重いため、漏えい時には床面や低い場所に滞留しやすいという特性があり、換気設計において都市ガスとは異なる考え方が必要です。
ボンベ供給からバルクタンク供給まで、規模に応じた設備があります。自家発電機の燃料としても用いられます。
産業用ガス(バルクガス・特殊ガス)系
窒素(N₂)
不活性ガスとして、雰囲気炉、樹脂・電子部品の酸化防止、配管パージ、タンク封入など多用途に使われます。
主な供給方式
- CE(コールドエバポレータ:液体窒素をガス化して供給する設備)からの液化ガス供給
- PSA装置(圧縮空気から窒素を分離して製造する装置)によるオンサイト製造
- ボンベ供給
アルゴン(Ar)
TIG溶接・MIG溶接のシールドガスとして使われます。溶接時に溶接部を大気から遮断することで、酸化や窒化を防ぎ、溶接品質を高める役割を持ちます。
半導体・電子部品製造の雰囲気ガスとしても使用されます。
酸素(O₂)
ガス溶断(金属の切断)、医療、燃焼用空気の富化、水処理などに使われます。
助燃性が強く、可燃物と接触すると急激な燃焼を引き起こす可能性があるため、取り扱いには特別な注意が必要です。
炭酸ガス(CO₂)
半自動溶接(MAG溶接)のシールドガス、食品工場での雰囲気置換、飲料製造などで使用されます。密閉空間での漏えいは酸欠事故につながる可能性があるため、使用場所の換気管理が重要です。
水素(H₂)
半導体、ガラス製造、金属熱処理、燃料電池関連で使用されます。
可燃性が非常に高いため空気中での爆発範囲が広く、かつ分子が小さいため漏えいが起きやすい特性を持つガスです。取り扱い設備の設計には特別な配慮が求められます。
特殊材料ガス・毒性ガス
半導体関連工場で使われるシラン、アンモニア、塩素系ガスなどです。毒性・腐食性・可燃性などの危険性が高く、特に厳格な安全基準と設備設計が必要です。
業種別に必要となるガスの傾向
工場の業種・工程によって必要となるガスはまったく異なります。
- 自動車関連工場:溶接用のアルゴン・炭酸ガス、熱処理炉用の窒素・水素
- 食品工場:ボイラー用の都市ガス・LPガス、炭酸ガス
- 金属加工・機械加工:溶接用ガス、塗装乾燥炉用の燃料ガス
- 電子部品・半導体関連:多種多様な特殊ガス
適切な設計には業種ごとの知見が求められます。
ガス配管工事に求められる法令・資格
ガス配管工事は「誰でもできる工事」ではありません。ガスの種類によって、適用される法令と必要な資格が明確に定められています。
都市ガス配管
都市ガスの内管(お客様敷地内のガス管)は、ガス事業法で定める「ガス工作物」に該当します。
ガス事業法第61条では、「ガス工作物の技術基準に適合するよう施工し維持する義務(技術基準適合維持義務)」がガス事業者に課せられています。
ただし、たとえ本資格を保有していてもすべての工事人が都市ガスの内管工事を行えるわけではありません。
都市ガス内管工事に必要な二重の要件
- ガス事業者、またはそのガス事業者の指定工事店に属していること
- 当該ガス事業者の認定を受けた工事人であること
「どこかの指定工事店に属していれば良い」ということではなく、お客様がご使用になるガス事業者からの認定が別途必要になる、という二重の要件があります。
LPガス(プロパン)配管
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)第38条の7に基づき、ガス栓と硬質管を接続する作業などは特別な技能が必要で、災害防止に特に重要な作業は液化石油ガス設備士(国家資格)が従事しなければなりません。免状は都道府県知事が交付します。
特定ガス消費機器の設置
「特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(特監法)」第3条により、構造や使用状況などから工事の欠陥による災害の恐れが多いと定められた機器を「特定ガス消費機器」と呼びます。
その設置・変更の工事は、ガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者が実地に監督するか、または自らが施工しなければなりません。なお、液化石油ガス設備士はこの資格を持つものとみなされます。
高圧ガス(特殊ガス含む)
液化窒素、液化酸素、液化アルゴン、高圧ボンベなどを扱う設備は高圧ガス保安法の対象となります。
貯蔵量によって必要となる手続き
- 第一種・第二種製造者としての届出
- 保安検査
- 完成検査
特殊ガス設備の変更・補修工事も、内容によっては変更許可・変更届の手続きが求められます。
その他関連法令
- 消防法:危険物としての取り扱い、消火設備の設置
- 建築基準法:設備機械室の構造、換気
- 労働安全衛生法:作業環境管理、酸欠・中毒防止
- 電気事業法:制御盤・電気工事関連
「法令の手続きまで含めて任せられるか」は、業者選びの大きな判断ポイントです。ガス配管工事は、配管の施工技術だけでなく、法令対応能力も業者に求められる重要な要素です。
配管材料の選定|ガスごとに「使える材料」が違う
配管材料の選定は、ガス配管工事の品質を決める重要な要素です。扱うガスの種類、圧力、温度、設置環境(屋内・屋外・埋設など)によって適切な材料が変わります。
燃料ガス系の主な配管材料
- 白ガス管(SGP-W)
- 塗覆装鋼管(PLP)
- ガス用ポリエチレン管(PE管)
- フレキ管・可とう管
- ステンレス鋼管
白ガス管(SGP-W)
亜鉛メッキ処理を施した鋼管で、屋内露出配管で広く使用されます。
塗覆装鋼管(PLP)
ポリエチレンでコーティングして腐食を防ぐ処理を施した鋼管で、屋外埋設配管に使われます。
ガス用ポリエチレン管(PE管)
地中埋設配管として、金属管と異なり腐食しない特性を持つ配管です。
フレキ管・可とう管
機器接続部の振動対策や地震対策として使われる可とう性のある配管です。
ステンレス鋼管
耐久性・耐食性が特に必要な箇所に使われます。
産業ガス・特殊ガス系の配管材料
- ステンレス鋼管(SUS304・SUS316)
- 電解研磨管(EP管)・BA管
- 銅管
ステンレス鋼管(SUS304・SUS316)
高純度ガス、腐食性ガスに対応するための材料です。SUS316はSUS304より耐食性が高く、より厳しい環境での使用に向いています。
電解研磨管(EP管)・BA管
配管内面を電解研磨(EP)または光輝焼鈍(BA)処理することで、表面の凹凸を極限まで滑らかにした配管です。ガスの純度を保つために不可欠なもので、半導体グレードの超高純度配管に使用されます。
銅管
医療用ガスなど一部の用途で使用されます。
工場でよくあるガス配管のトラブルと対応
ガス臭がする
都市ガス・LPガスはどちらも、わずかな漏えいでも臭いで気づけるよう付臭剤が添加されています。臭いを感じたら、火気の使用を止め、換気を行い、直ちにご相談ください。
ガス警報器が作動する
誤作動の場合もありますが、まずは漏えいの有無を疑うのが鉄則です。
警報器が作動した場合の対応手順を、あらかじめ定めておくようにしましょう。
- 換気を行う
- 火気の使用を止める
- ガス元栓を閉める
- 業者へ連絡する
圧力が安定しない・流量が落ちた
圧力・流量に問題が生じている場合は、次のような原因が考えられます。
- 調整器(レギュレータ)の不具合
- 配管の詰まり
- 調整器の劣化
特に調整器は消耗品であり、長年の使用で性能が低下することがあります。
配管表面の腐食・サビ
屋外配管、地中埋設配管、湿気の多い場所の配管は、経年でサビ・腐食が進行します。
腐食が進むと肉厚が減少し、最終的には漏えいにつながる可能性があります。そのため、早めの塗覆装の補修や配管更新が重要となります。
フレキ管・可とう管の劣化
ゴム部分の硬化やひび割れは、漏えいの直接原因になることがあります。定期的な目視点検と計画的な更新が必要です。
地震・設備移設後の不具合
大きな地震の後や機械設備を移設した後は、配管に応力がかかって微小な漏えいが発生しているケースがあるため、異常を感じた際は点検を依頼するようにしましょう。
工場のガス配管は、生産活動の根幹を支える設備でありながら、漏えい・火災・爆発という重大事故と隣り合わせの領域でもあります。「これまで何もなかったから」と点検を先送りしている間にも、屋外・埋設配管の腐食やフレキ管の硬化が静かに進行している可能性があります。
有資格者による確実な施工、耐圧・気密試験による裏付け、計画的な配管の更新と定期点検は、工場の安全と生産の継続を同時に守るための欠かせない取り組みといえるでしょう。
「新しい設備を入れたいがガス配管をどうすればよいか」「既存配管が古くなってきたので診てほしい」「ガス臭がするので点検してほしい」「設備移設にともなう配管の改造を頼みたい」など、どんな段階のご相談でも承っております。
愛知・三重・岐阜の工場で、ガス配管・ガス供給設備のことでお困りごとがありましたら、ぜひお問い合わせください。現地調査とお見積りは無料です。都市ガス・LPガス・産業ガス・特殊ガスへの対応、有資格者による施工、高圧ガス保安法や消防法の届出・申請への対応、耐圧・気密試験、漏えい時の緊急対応から長期メンテナンスまで、専門知識と現場経験を持つスタッフが、御社の設備の安全と安定稼働を支える最適なご提案をいたします。